緋色の囁きを読みました
今回は綾辻行人先生原作・児嶋都先生作画の「緋色の囁き」をご紹介します!
全寮制の女学校を舞台にした魔女に纏わる怪死事件を巡る物語です。
主人公の冴子はある日、両親が実の親でないことを知らされ、実の母の姉と名乗る女性に促されるまま聖真女学園へと連れてこられました。
息が詰まるような校則をきっちり守る少女達の中、冴子と同室になった高取恵だけは飽くまでマイペース。
周りからも遠巻きに見られている存在でした。
食事の時間に遅刻をしたことを理由に教師から手酷い罰を受けた恵の様子に驚いた冴子は彼女に声をかけますが、恵は声を顰めて「私は魔女だから仲良くなろうとしない方が良い」というようなことを言います。
食事が終わったその後クラスメイトの綾から声をかけられます。
彼女は冴子に校則の厳しさにもすぐ慣れるだろうと言い、それを破ったら叱られるのは当然だと取り巻きの少女達に同意を求めました。
その時にその少女達がそれに同意すると共に綾“さま”と傾倒したような呼び方をしていることに冴子は違和感を覚えます。
何かあればいつでも聞いてと言う綾に、魔女という言葉がなんだったのか気になっていた冴子は恵について訊ねるのですが、一気に凍りついたようにピリついた空気になってしまいました。
綾は一言「少し変わった方」とだけ言うのですが…
あらすじが長くなってしまいました💦
こういう女ばかりがいる場所でのドロドロした感じの雰囲気の話…たまりませんね。
作中にもタイトルが出てくるし、あとがきで綾辻先生も影響を受けたようなことをおっしゃっているのですが「サスペリア」が好きな方は色々心惹かれる所があるのではないかなと思いました。
前回ご紹介した「眼球綺譚-COMICS-」は短編集でしたが、今回は丸々一冊に渡る長編作品です。
少しずつ物語の謎が解き明かされていく訳ですが、魔女が何なのか分かった時、冒頭のシーンが何を現すのか分かった時…かなりゾッとさせられましたね(※個人の感想です)。
そして読み終わった後に「もしかして…」と思う所があってそこも心憎かったです。
絵は女の園を舞台にしていることもあってか、「眼球綺譚-COMICS-」よりも耽美感強めな印象でした。
そう言えば原作が発表されたのが1988年というのをあとがきで見てかなり驚きました😳
30年以上前にこんな物語を作り出せた綾辻先生に改めて尊敬の念を抱きますね。
こう言うテイストの話はどこかレトロな魅力があって古臭さというのを逆に感じないのかも知れないと思ったりして。
女子ばかりが登場するというと百合を期待する方もいるかも知れませんが、ほぼないのでご注意です💦
この話は“赤”がある意味一番キーになるお話だったので、カラーで描いてあるのも見てみたいなあなんて思ってしまいました。
ダリオ・アルジェント作品のように目に鮮やかな赤でいっぱいの漫画になりそう…
気になる方は是非読んでみてくださいね☺️
オススメしたい作品です!