けだものたちの時間〜狂依存症候群〜を読みました
今回ご紹介するのはbig brother先生の「けだものたちの時間〜狂依存症候群〜」です!
けだものたちの時間~狂依存症候群~ (1) (comic RiSky(リスキー))
- 作者:big brother
- 発売日: 2019/10/17
- メディア: Kindle版
まずご注意なのですが、この漫画は虐待や犯罪を題材にした非常に胸糞が悪く読む人を選ぶ内容の作品です。
ですのでエログロが苦手な人は速やかに回れ右をお願い致します。
そう言う内容ばっちこいで、色々考えさせられる漫画や考察できる作品が好きな方に是非オススメしたい漫画となっております。
以下、若干のネタバレも含むと思いますのでご了承の上お読みくださいますようお願いいたします。
この漫画は冴えないコンビニ店員が人気モデルを誘拐し、暴力で心身ともに支配しようとするという物語です。
性的に蹂躙され、食べ物にも異物を混入されるなど最早けだもののように扱われる愛理(モデル)は、何とかそんな地獄のような環境から脱することができないか色々と試みるのですがなかなか思うようにはいきません。
ある日、処女でなかったことを口汚く罵られ殴られた愛理は、過去に父から性的虐待を受けていたことを告白しました。
するとそれを聞いた宏和(犯人)は自分の身の上を彼女に話し始め、自分も母から性的虐待を受けていたことを告げるのでした。
相変わらず愛理を解放しようとはしない宏和でしたが、時を経て暴力はなくなり“誘拐犯と被害者”という関係ながら、愛理は宏和に対して信じたいというような気持ちを持つようになります。
しかしそんな時間は長く続くはずもなく…ある日愛理は宏和の最大の秘密を知ってしまい…という感じのお話です。
そもそもなんでこの話を読むに至ったかと言うと、Twitterを眺めていた時にたまたま作者様のアカウントを見つけまして、投稿されているイラストが非常に残酷なものが多くその何かが私の心の琴線に触れたからでした。
この作品の2人を題材にしたイラストもアップされていまして、その妖しさにグッと惹かれました。
この漫画の主人公、愛理は可愛いながらとても強かな面のある女の子です。
作中“私の腕は細すぎる”というフレーズが何度か出てくるのですが、宏和しかり、父しかり男性の腕力には敵わず蹂躙されるしかなかったという悲しみを背負ったキャラクターです。
そんな彼女の可愛さに惹かれたのが冴えないコンビニ店員の宏和でした。
彼は多分本来ならそこそこイケメンのような気がするのですが、生い立ちから色々ねじ曲がってしまっているせいもあってか愛理から度々「きもっ」と言われてしまいます。
私なりの解釈なのですが、宏和は自分が今まで受けた理不尽を理不尽と思わないようにする事で自我を保ってきた為、一般的な同年代と価値観が致命的に変わってしまっているようです。
笑顔もうまく作れず、相手と深く繋がる術を知りません。
だからこそ好きになった愛理を誘拐し、暴力でねじ伏せ、人間としての尊厳を奪うことしかできなかったのでしょう。
彼の身体は母から受けた虐待によって傷だらけで、夏も半袖が着られないほどです。
愛理との間にある種の幸せを見出そうとするも、心の中の自分がそれを許そうとしません。
加害者と被害者の関係の2人ですが、愛理はどうにか宏和を救えないだろうかと考えます。
彼の境遇を知る事で愛理の中で宏和に対して愛情にも似た感情が生まれたのです。
宏和はそれを否定しますが、私は全部を否定はしたくないなと思いました。
少なくともお互いにしか分かりえない辛さはあったと思うので。
でもそれで2人がこのまま幸せになれば良いのにと考えるかといえばそうではなく、宏和は罪を償った上で再び関係をやり直せたら…そうしたら胸糞が悪い展開の目白押しながら最後はハッピーエンドになったかも知れません。
それがうまくいかないから物語りを読むのをやめられないのだ…
現在、電子書籍で2巻まで発売されていて、分冊版もあります。
私は2巻まで読みましたが気になるところで終わってて続きが気になりすぎます😭
一体2人の間に何が起きたのか…?
次の巻が待ち遠しいです!!
この漫画をジャンルで分けるなら何になるのかなあ。
性的な要素があるからレディコミのようであり、しかしリョナ要素が強いから特定の層に向けたエロ作品のようでもあり。
しかし見ていて目を覆いたくなるような展開の目白押しなのを考えるとある意味サイコホラーよようでもありますね。
これをどう捉えるかは読んだ方次第かも知れません。
私的にはエログロ満載過ぎてサブカルカテゴリ説を推したい!
でもサブカルとすると愛理が今時な絵柄で綺麗に纏まり過ぎてるような気もします…他の方の意見も是非聞きたいですね。
私は正直読んでて辛いとも思ったし、後味も頗る悪いです。
でもクセになるっていうんでしょうか?
見てはいけないものだからこそ見たくなってしまう的な作品でした。
興味のある方は是非、big brother先生の作風を知ってから読み始められることをオススメいたします。