こども地獄を読みました
今回は児嶋都先生の「こども地獄」のご紹介です。
このホラー然とした表紙のデザインが堪らないですねえ☺️
こちらも短編集でして、色々なタイプのお話が楽しめるお得な一冊でございます。
ちなみに「年下地獄」は「おとな地獄」に収録されていたものと同一の作品となります。
「年下地獄」は初めは心配し過ぎた老父の暴走を描いているコメディなのかなと思って読んでいたのですがしっかりホラーなのでご安心ください(?)。
「こども地獄」で私が一番興味を惹かれたのは「蛾」という作品でした。
劇画調のイラストで描かれる一作。
ラストのナレーションが非常に印象的なんです。
直接的な描写は極限まで省いてあるのにキャラの内面の歪みであったり異常性がひしひしと伝わってくるのは凄いの一言。
あと紹介したいのは中でも一際目を引くであろう「笹江さん」。
某国民的キャラクターを捩ったパロディ作品なんですが、主人公の笹江さんが何かあるごとに死を考えるメンヘラキャラに味付けしてあってそこがシュールで笑ってしまいました。
本家と全然違うキャラと思わせてお約束ネタも盛り込んでくれるのが児嶋先生の腕の憎いところですねえ。
パロディチックなギャグ漫画なのかと思いきやホラー的な描写もあって本当何重にも楽しめる作品だと思います!
そう言えば表題作の「こども地獄」が意外と問題作と思っていて…
善人だからって思ったようになんでもうまくいくと思うなよというアンチテーゼのようであり、少女椿的な奇○(※一読者の勝手な解釈なので伏字しました)を思わせる子どもを登場させる一種の悪趣味な物語のようであり…
でも一番ホラーなところは自分たちが思うような子どもが生まれないからと子作りをやめない夫婦の思考回路かも知れない。
最終的にどのような結末が訪れるのかは是非その目でお確かめください!
児嶋作品はコメディっぽいようでその実恐ろしかったり、その逆にホラーと思って読んでいたら本当はギャグ漫画だったりと最後まで読まなければその本質が分からないのが面白いところだと思うんですよねえ。
貴方はどちらがお好みでしょうか?
もしかしたら人によって面白おかしいと思うポイントも違うかも知れないので、是非実際読まれた方と話の考察などしてみたいです。
こちらも是非オススメしたい一冊となっております。