聖ロザリンドを読みました
今回はわたなべまさこ先生の「聖ロザリンド」をご紹介いたします。
まずご注意なのですが、こちらはホラー作品となっております。
そしてホラーの中でもオカルト的なものと言うより、人の恐ろしさを描いたサイコホラーに当てはまる作品だと思われます。
ですのでホラー、中でもサイコホラーが苦手な方は十分にご注意くださいませ。
簡単な内容説明です。
この漫画は純真無垢な8歳の少女・ロザリンドが次々と人を殺していくというもの。
純真無垢と殺人という言葉が同列に語られるのはおかしいと感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかしそれはロザリンドが人を殺めることを全く悪い事とは思っていないこと、その反面母から言われた「嘘をつくことは悪いことで天国へ行くことができなくなる」という言葉を信じてずっと守っている点からその片鱗を感じることができるのではないでしょうか??
ロザリンドは側から見れば凶悪な殺人鬼でしかありませんが、その一つ一つの犯行は幼い欲求を叶えるためのものであったりとても些細な動機のものが多いのです。
金の置き時計が欲しかったから、ダイヤの指輪が欲しかったから、自分に嘘をついた事への罰など…そんな事でわざわざ人を殺すのか??と疑問を持つことばかりですが、ロザリンドの幼さ故と考えれば恐ろしくも納得できてしまうのがまた怖いと感じました。
歴史上には実際に子供が起こした凶悪事件もあるので、どこか現実味があるような気がしてそこも背筋が寒くなる一つの要因でした。
もしかしたら少女漫画然とした美しい絵柄、どこかお伽噺のようにも感じられるストーリーにホラーとして読むのは…と躊躇してしまう方もいらっしゃるかも知れません。
しかし私はこの作品を読むことができて良かったと思っています。
若干グロテスクな描写などもありますので、読む際は心身共に健やかな時をお勧めいたします。