しおたろうの気ままな生活

レビューを書いたり、好きなアイドルについて語ったり、はたまたメンタルヘルスについて認めたりするごった煮みたいなブログです

ミスミソウを読みました

押切蓮介先生の「ミスミソウ」を読みました。

この話は凄惨なイジメとその復讐を描いた作品です。

かなりグロテスクで残虐な描写が続くので、そういった表現が苦手な方は読まない方が良いでしょう。

今回はネタバレを交えてブログを書いていきたいと思っているので、まだ読んでいなくて内容を知りたくないという方は回れ右でお願いします。

中学卒業を目前に東京から東北の片田舎に転校した春香は、余所者という名目で靴を隠されたり机に嫌がらせをされるといういじめに遭っていました。

家族に心配をかけまいとする春香でしたが、ある出来事をきっかけに学校へ行かない選択をするのですが…それが本当の悲劇の始まりだったのでした。

正直この漫画にはまともな人間が殆ど出てきません。

みんなどこか歪んでいて、でもふと人間らしさを感じてしまう瞬間があったりしてそこが更に胸糞悪さを加速させている気がします。

この作品で最初に憎たらしいキャラだなと思ったのは小黒さんだったんですけど、読み進めていったら小黒さんを完全に憎めなくなってしまった私。

主人公への愛情の裏返しなのかな。

自分だけを見て欲しいのに、春香は潜在的異常者である相場と心を通わせていく姿が憎いと。

そう、主人公のことを心から思い守ろうとするヒーローのように冒頭描かれる相場という少年が一番非道で小黒さんとは逆に株を失うキャラでした。

彼には彼でそのようなメンタルになった原因があるのですが、それにしても自分勝手過ぎて同情はできないかなあ。

この作品、結局最後どうなったのかははっきりと描いてないんですよね。

おじいちゃんは春香の復讐に内心気付いていた気がする。

願わくば妹さんが回復して、春香は情状酌量があって静かにささやかに家族3人暮らしていくという未来なら良いのにと願わずにいられないです。

この漫画のイジメシーンはとても胸糞だし、家族を殺された復讐には成功するけれど、なんというかそれに対してカタルシスを感じるような描き方はされていない感じ。

でも、ご都合主義で誰にも見付からず必殺仕事人みたいにバッタバッタと倒していくような漫画だったらここまで心に刺さらなかっただろうなとも思わされました。

決して良い話(文字通りの意味での)ではないけど、読んだことには後悔しておりません。

貴方は読んだらどんな風に感じるでしょうか??

小黒さんの件で百合とか思って読むと後悔しかないと思うのでご注意ください。